東京ひとり時間

無趣味だったアラ50主婦。「ひとり時間」を楽しんでいる内に充実した日々を送れるようになってきました。そんな日々の記録です。

●ひとり時間にアート●ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション(人形町・水天宮前):初めての銅版画技法、カラーメゾチント

こんばんは!

都内在住アラフィフ主婦のnicoです。

ひとり時間の楽しみ方を模索しています。

 

先日は銅版画家の

浜口陽三氏の作品を展示する

ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション

に行ってきました。

 

浜口氏は1909年に

ヤマサ醤油株式会社の先々代の社長、

濱口儀兵衛の三男として

和歌山に生誕。

 

カラーメゾチントという

独自の銅版画技法を開拓し、

世界で活躍されました。

 

1996年に永い海外生活を終えて帰国し、

本人の賛意もあり、

持ち帰った多くの作品を

展示する美術館が開設されました。

 


ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション

nico's favorite points●
●「カラーメゾチント」という銅版画の一種について知れる
●浜口氏はカラーメゾチントの独自の方法を確立
●静かにゆっくりと鑑賞できる
●カフェのスイーツが美味しい
日本橋人形町など近隣に立ち寄れるスポットが多い

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《ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション:外観》©nico

こちらも「ぐるっとパス」の

対象施設でパスがあれば入場無料です。

FYI:ぐるっとパス 2022」は2,500円で最初の利用日から2か月間有効のQRコードチケット。東京を中心に約100の美術館・博物館などの施設に無料/割引価格で入場可能。販売期間は2023年1月31日まで。詳細はこちらをご覧ください。

さて、大変お恥ずかしいのですが、

最近美術館巡りにはまっているだけで

美術の知識は浅いです。

 

特に版画はほとんど関心がなかったので

何となく「ゆっくりできそう~」

くらいの気持ちで行ってきた次第です…

 

本当のことを書くと、

今回はカフェの

スイーツ目当てでした…(汗)

 

だって…

ずっと行きたかった

鎌倉山の『House of Flavours』、

料理研究家 ホルトハウス房子さん

チョコレートケーキ

食べられるのだもの…

 

本当に花より団子、

頭より胃袋で動くタイプで

恐縮です…

 

しかし、取り繕うわけではないですが、

作品の独特な世界観

惹かれていたことも本当です。

 

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《ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション:美術館のリーフレット》©nico

浜口氏の作品は

このリーフレットの写真のように

シンプルな構図で

暗闇からモチーフが浮かび上がっている

ように見えるのものが多くありました。

 

ぼんやりと

光っているモチーフが

何か問いかけてくるようにも感じましたし、

なぜだか惹きつけられました。

 

美術館では

銅版画の「カラーメゾチント

について作品作りを体験できたり、

技法を説明する動画

流されたりしていました。

 

動画を見ると、

いかに「カラーメゾチント」が

大変かがわかります。

 

詳しくはぜひ美術館で

ご確認いただけたらと思いますが、

「カラーメゾチント」は

ベルソーという

刃先に細かい凹凸のある道具を揺り動かし、

銅板に細かい点をつけて

布目のようにしていくことから始まり、

その布目の削り具合で

色の濃淡を表現します。

 

その一連の工程は

気が遠くなるような繊細な作業で、

背景を作るだけで1か月位必要だそうです。

 

想いを込めて

時間と労力をかけ、

繊細な作業を続けた結果が

作品の奥深さとして

表れていているのかなと

私なりに納得。

 

一見わかりにくいものこそ

じわじわと心に響くことって

ありますものね。

 

浜口氏は

元々モノクロの技法とされていた

メゾチントに

カラー表現の技法を開拓し、

より豊かな芸術表現を実現され、

世界で認められるように

なったそうです。

 

動機はケーキでしたが、

「カラーメゾチント」という技法を

知ることができましたし、

浜口氏の作品に

心の奥底を打たれました。

 

ケーキの感想はまたの機会に…

hitorijikan-nico2.hatenablog.com


●Information●
ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション

●電話:03-3665-0251
●住所:東京都中央区日本橋蛎殻町1-35-7
●交通:東京メトロ半蔵門線「水天宮前」駅徒歩1分、東京メトロ日比谷線人形町」駅徒歩8分、都営浅草線人形町」駅徒歩10分
●開館時間:平日11:00 -17:00、土・日・祝10:00 -17:00(入館は閉館の30分前まで)
●定休日:毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、夏期、展示替え及び特別整理期間
●開館時間・定休日などは変更となる場合がありますので、詳細は施設にご確認ください。


nico's memo:

戦後の美術の出発
昭和20年(1945)に第二次世界大戦終戦となる。廃墟となり貧窮となった生活の中で、美術団体や美術雑誌が復活。自らの戦争体験と向き合うことから出発した芸術家も多い。しかし、1950年代に入ると新しい表現を模索する芸術家たちが現れる。そのような中で、まず国際化の流れが現れたのが版画の世界であった。昭和31年(1956)、第28回ヴェネツィアビエンナーレで版画部門のグランプリに輝いた棟方志功をはじめ、浜口陽三らが海外で相次いで受賞。浜口陽三は昭和32年(1957)にサンパウロビエンナーレ版画国際部門で最優秀賞受賞。
ビエンナーレ
「2年ごと」の意で1年おきに定期開催される展覧会のこと。1895年に創設されたヴェネツィアビエンナーレがもっとも古い歴史を持つ。第二次世界大戦後、各国の芸術家の交流を通して同時代美術の方向を提起する試みとして、いくつかの国際美術展が発足。1951年に創設されたサンパウロビエンナーレベネツィアと並ぶ二大ビエンナーレとして交互に開催され現代美術の動向に大きな影響を与える。

参照:「西洋・日本美術史の基本」、「ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション」、「コトバンク

●近隣情報●

hitorijikan-nico2.hatenablog.com

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●参考情報●

www.yamasa.com

www.rekibun.or.jp

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