こんばんは!
都内在住・歴史好き主婦のnicoです。
ひとり時間を楽しんでいます。
高橋直樹著、
『源義朝伝 源氏の流儀』読了。
※平安時代後期の歴史小説一覧はこちらから。
※その他の時代別歴史小説一覧はこちらから。
源頼朝・義経の父である源氏の棟梁、
源義朝を主人公に据えた作品です。
義朝が関わって源氏に大きく影響し、
後の武家政権につながる
1156年(保元1)の保元の乱と
1159年(平治1)の平治の乱を
描いています。
これらの戦乱を描いた作品は
他にも読んでいますが、
本書は両方の戦乱を描いているので、
双方のつながりがよくわかる作品でした。
義朝は元服前の少年時代に
父為義に命じられて関東に下り、
源氏の地盤を立て直すことを
使命とされました。
関東の荒くれ武者を相手に蛮勇を振るって
統率するまでになっていましたが、
武家棟梁としての教育を
京都で受けることもできず、
関東から遠く離れた京都を眺めて
平氏にどんどん引き離されていく源氏の状況に
焦りを感じるようになります。
そして、
この原因は院政期の中心人物である
鳥羽上皇に嫌われて疎外された
父為義にあると思っていました。
そんな折に義朝は鳥羽上皇に
武者としての手腕が買われて京都に召喚され、
関東の郎等衆を率いて上洛することになります。
しかし、
父為義の許しを得た上洛ではなく、
父との関係に亀裂が...。
この後、
保元の乱では父と弟たちと敵対して戦い、
負けて死罪となった父たちとは反対に
勝利した義朝は昇殿が許され、
これが新しい源氏の一歩になると信じました。
※昇殿(しょうでん):清涼殿へ昇ることを許された人。昇殿は原則として三位以上の公卿が許されたが、四位以下の一部の官人や蔵人も天皇からの特別な許可によって許され「殿上人」と呼ばれた。
しかし、
保元の乱後に実権を握った信西(しんぜい)は
戦の功労者である義朝への態度を豹変させて、
言いがかりをつけるなどして、
追い詰めていきます。
それが、
平治の乱へとつながっていき、
義朝は非業の死を遂げます。
本書は保元・平治の乱に焦点を当てた
コンパクトな作品となっており、
口コミでは「もっとあのシーンを」とか、
「物足りない」といった意見も見られましたが、
個人的には源氏の視点から見た
保元・平治の乱を知るには
本書一冊で事足りるかなと思う位、
すっきりと必要な流れがよくわかる
良書だと思いました。
平氏との流儀の違いも見られますし、
義朝が建て直した関東の地盤が
のちに頼朝の源氏再興につながっていくことも
感じられる作品でした。
●参考●
「コトバンク」ウェブサイト
時代別歴史小説一覧はこちらから ↓
hitorijikan-nico2.hatenablog.com
最後までお読みいただき、
ありがとうございました!