【本・映画】
千年以上も続く都の礎を築いた【桓武天皇】。しかし、そもそもは皇位につくことを期待されていなかった末端の皇族でした。本書ではその生涯が描かれています。
1400年前に建立された【四天王寺・五重塔】。7回も戦災などで破壊されていますが、その度に「金剛組」率いる宮大工たちが再建してきました。五重塔の見方が一段深くなる作品です。
8世紀後半に完成した現存最古の和歌集「万葉集」。古事記・日本書紀と並ぶ国書としての和歌集を完成させるという大事業を父・大伴旅人から継いだ家持。政争に巻き込まれながらも、強い執念で難事業に挑む姿が描かれています。
安部龍太郎氏による「古代史四部作」の一つ。白村江の戦い後、約40年を経て、唐との国交回復を目指した遣唐使が派遣される。執節使は対唐外交の権威であった粟田真人。国のために命を懸けて立ち向かう遣唐使の姿が描かれています。
645年、乙巳の変で蘇我氏が滅亡し、【大化の改新】が始まります。天皇中心の中央集権を目指し、政治に大きな変化をもたらした時代。増々緊張が高まる東アジア情勢の中で国を強くするために。大和3部作の2作目です。
608年、小野妹子は再び遣隋使に。大陸での学びを聖徳太子の改革に活かすべく高向玄理や南淵請安らの留学生も同行。隋から唐へ移り変わる時代の緊迫した国際情勢を背景に太子と蘇我氏の対立も顕在化していきます。
古くから天皇家を支えた古豪の名門でありながら、新興勢力の蘇我氏に敗れて消滅した物部氏。その数少ない生き残り氏族・石上物部氏であった【石上朝臣麻呂】は辛うじて最下級の官職に就いていた。しかし、天智・天武朝を経て、元明天皇の時代に臣下としては…
奈良時代の「大仏建立」をテーマにした作品。卓越した技能を持つ造仏工・天国を主人公とし、当時の身分制度にも触れられています。次々と襲い掛かる試練に最後まで目が離せないストーリー展開です。
奈良時代の【遣唐使】の奮闘を描いた作品。主人公は最難関と言われた中国の官僚登用試験「科挙進士科」に合格し、玄宗皇帝の側近まで上り詰めたたぐいまれなる日本人「阿部仲麻呂」。日本の朝廷の密命を受けた仲麻呂の人生が壮大なスケールで描かれています。
「長安に並ぶ都を!」と立ち上がった【平城京】プロジェクト。立ち退き問題や政敵との闘いなど、数々の困難が降りかかります。ミステリーの要素もある作品。
663年【白村江の戦い】。日本が唐・新羅の連合軍に大敗したと歴史の教科書で習いました。本書では敗戦に至るまでの壮大なストーリーが語られています!
歴史小説では珍しい「元正天皇」の視点で描かれた作品【美貌の女帝】。壬申の乱後、度重なる都の遷都や権力闘争など激動の時代。初の未婚の女性天皇として政治の矢面に立たされながら守り抜こうとしたものがありました。
飛鳥時代の小説、5冊目読了。この時代の鍵となる「仏教」「冠位十二階」「憲法十七条」「遣隋使」。これらはすべて聖徳太子が真の目的を果たすための布石でした。
古代史を理解したくて手に取った、八木荘司著【古代からの伝言 日本建国篇】。「日本書紀」を中心とした文献や史跡などの傍証を検証しながら、ノンフィクション形式で書かれています。古代史を整理して理解したい方におすすめです。
飛鳥時代の小説4冊目読了。今回は当時の政界のドン【蘇我馬子】を主役に置いた作品。馬子は大和国が単なる「豪族の集まり」から「国家」へと変遷していく時代に明確な国家像を持って国造りに貢献していく様子が描かれています。
厩戸皇子(聖徳太子)が蘇我馬子とともに編集した【天皇記・国記】。残念ながら未完に終わり、幻の史書となりましたが、『古事記』『日本書紀』の原型になっているそう。本書は厩戸皇子の命を受けた船史龍が各地の言い伝えを検証し、史書を編み上げていく様…
「古事記」や「日本書紀」をベースに立国の礎を描いた歴史小説。神武天皇の東征がテーマ。古代、どのような志で国を興したのかということに触れた作品です。
飛鳥時代に日本史上初の女性天皇として即位した【推古天皇】。聖徳太子を摂政に据え、「十七条の憲法」を制定、国を一つにまとめ上げ、大国の中国には対等の国として相対します。どのように政に関わったのか、推古天皇の姿に触れ、色々と考えさせられる作品…
推古天皇の御世、争いが続く朝鮮半島と倭国の平和を実現するために聖徳太子が壮大な計画を始動。そして、計画遂行のために宗像一族が橋渡し役を命じられます。607年の【遣隋使】を題材にした作品です。
未だ謎の多い【本能寺の変】。大航海時代であった戦国時代、外交問題は織田信長にも直面した。国内だけの視野ではわからない【本能寺の変】について、世界史を踏まえて真実に迫った作品です。
安土桃山時代を代表する絵師【長谷川等伯】。能登から天下一の絵仏師を目指して上京し、狩野永徳を脅かす存在になっていきました。戦乱の中、次々と悲劇に襲われますが、代表作となる『松林図屏風』に辿り着きます。法華経の教えも土台に含まれており、読み…
天下人が自分の権威を示すために 美術を利用した時代。安土桃山時代の天才絵師「狩野永徳」は織田信長の納得する絵を描けるのか。狩野永徳の青年期から壮年期の迫力ある孤独な闘いを描いた作品です。
安土桃山時代の天才絵師「狩野永徳」。狩野派で代々受け継がれている手本を写すだけの絵を疑問に感じ、「自分の絵を描きたい」ともがき苦しむ。ある日、時の将軍「足利義輝」から絵の依頼を受け、自分の道が見え始めます。
江戸総奉行・本多正信と紀州漁師・四郎佐が未開の地であった「江戸」を世界最大の都市へと変えていく物語。
徳川家康の次男で豊臣秀吉の養子となる結城秀康。徳川家と豊臣家を結ぶ役目を果たし、波乱万丈な人生を送ります。歴史上はあまり目立ちませんが、この作品を通して家康が無視できない重要な存在だったことがわかります。
親兄弟との血のつながりよりも、一族や家臣との縁を重んじてきたと言われる徳川家康。秀吉との小牧・長久手の戦い以降、家康が亡くなるまで、一族や家臣と天下統一を成していく過程が描かれた短編集です。
日本は「落とした財布が世界一戻ってくる国」。その素地を作ったのは江戸時代260年「徳川の平和」であると、歴史家・磯田道史氏は確言されます。
徳川家康が今川家の人質時代、僧侶であり軍師であった太原雪斎から「海外」という概念を学び、天下統一後の仕上げとして「外交」が重要だと教えられる。家康の後半生で最後まで尽力した外交戦略について書かれた作品です。
文明開化が幕を開け、次々と西洋の技術や文化が導入されると、浮世絵は衰退していきました。そんな中で、最後の大看板と言われた三代歌川豊国が亡くなります。誰が歌川一門を率いていくのか、各自が伝統を残そうと必死になります。
江戸時代、水道が超えられなかった隅田川以東の埋立地。飲料水確保は深刻な問題。人の命に関わる「水売り」稼業の龍太郎は、どんな日でも水を届けるために道三堀に船を走らせます。