こんばんは!
都内在住アラフィフ主婦のnicoです。
ひとり時間を楽しんでいます。
夜弦雅也著、
『高望の大刀』
(たかもちのたち)読了。
平安時代初期を舞台にした作品を
探していて手に取りました。
桓武天皇のひ孫であり、
平将門の祖父でもある、
桓武平氏の祖・
平高望(たいらのたかもち)が主人公。
889年(寛平元)に
平姓を賜って臣籍降下し、
上総介(かずさのすけ)として関東に下り、
現地で土着して武家の基盤を築いたと
言われています。
鍵となる存在ですが、
経歴に不明な点も多く
謎に包まれているようです。
謎が多い人物だからこそ、
著者の大胆な発想力で描かれた
作品だと感じました。
しかし、
乏しい知識ではありますが、
私が知っている歴史と
本作の内容はかけ離れていました。
小説家の今村翔吾氏がご著書の中で
歴史小説と時代小説の違いを下記のように
言及されていますが、
これを参考にすると『高望の大刀』は
時代小説に近いと感じました。
「歴史小説は史実を重んじるのに対して、時代小説は単に過去の時代を背景にしているという違いがあります。別の言い方をすれば、時代小説はフィクション性が強く、その時代を生きた人と人のかかわりを濃密に描く傾向があります。」
出典:今村翔吾著「教養としての歴史小説」
本作で描かれた高望は
不器用とも言える真っすぐな心で
歪んだ政治に対抗しており、
ストーリーとしては面白かったです。
また、
武士団が形成されていく初期の段階は
こんな風だったのかなと想像し、
雅な平安時代の裏面史でもある
武士の台頭について触れることができました。
第13回日経小説大賞受賞作です。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました!
●参考●
「Book Bang」ウェブサイト
「コトバンク」ウェブサイト
●時代別小説一覧●