こんばんは!
都内在住アラフィフ主婦のnicoです。
ひとり時間を楽しんでいます。
馳星周著、
『四神の旗』読了。
本作は藤原不比等が主人公の
「比(なら)ぶ者なき」という作品の
続編です。
不比等の子、
聖武天皇を守護する四方神、
青龍(東)、
白虎(西)、
朱雀(南)、
玄武(北)になぞらえた物語で
729年の長屋王の変を
主題としています。
古代史研究者の小林理恵氏の協力を得て、
史実も踏まえた創作となっているそうです。
四兄弟はそれぞれ家を立て、
長男:武智麻呂(たけちまろ)は南家、
次男:房前(ふささき)は北家、
三男:宇合(うまかい)は式家、
四男:麻呂(まろ)は京家の
藤原四家とも言われています。
そもそも不比等の子どもたちの時代から
なぜ四家に分かれたのか
あまり気に留めていなかったのですが、
本作の中で書かれている理由に
なるほどなと思いました。
また、
四兄弟を中心とする藤原派の対立の中で、
政権を掌握するべく
兄弟は同じ方向を向いているものとばかり思い、
一緒くたに考えていました。
しかし、
本作では歴史上の立場や経歴を元に
創作されたであろう
4人の個性が際立っており、
それぞれの立場で行動を起こし、
必ずしも同じ方向を向いていない
描き方をされていて面白かったです。
平面的だった彼らの人物像が
立体的になった印象を受けました。
奈良時代後半以降は、
四兄弟から派生した藤原家の人物が
政治の場にたくさん出てくるのですが、
名前も似ているし、
誰が誰だかわからなくなり、
しょっちゅう系図を確認していました😅
でも、
この四兄弟の特徴を押さえておくと、
彼らの後に続く
藤原家の人物や事件についても
理解を深められると思います。
先日、
橘奈良麻呂を主題とする
「阿修羅」を読んだばかりだったので、
触れていながら、
同母兄妹の婚姻についてスルーされている点は
少々ひっかかりましたが、
よりよく理解するためにも、
四兄弟をベースに
藤原氏を整理して考えられる
作品ではないかなと思います。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました!
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