東京ひとり時間

無趣味だったアラ50主婦。「ひとり時間」を楽しんでいる内に充実した日々を送れるようになってきました。そんな日々の記録です。時々家族との時間も書いています。

【読書記録】『風の陣 第一弾<立志篇>』高橋克彦著

こんばんは!

都内在住アラフィフ主婦のnicoです。

ひとり時間を楽しんでいます。

 

高橋克彦著、

風の陣

第一弾<立志篇>』読了。

奈良時代の小説一覧はこちら

 

歴史の学び直しをしている中で

年表を見ていて気になったことがあります。

 

それは「国内政治」に対して

「対外関係」の項目があり、

その中に中国や朝鮮半島と並んで

東北」が入っていたこと。

 

朝廷にとって

「東北」は対外関係として捉える

場所だったんだな~と改めて思いました。

 

その辺のことを知りたいと思っていて

見つけたのが本書です。

 

聖武天皇の御世、

仏教が国土全体に広められ、

その加護は孝謙淳仁、称徳と

三代の天皇に渡って継続されます。

 

相次ぐ飢饉や疫病の発生、

内政の乱れから、

天皇の心は仏による救済へと

傾けられたためです。

 

その中で大仏鋳造の詔も

発せられましたが、

仏の体を包む黄金は唐からの輸入に頼るしか

ありませんでした。

 

ところが、

749年(天平21)、

陸奥の地で黄金が発見されたという

朗報が舞い込みます。

 

この時から朝廷の陸奥に対する見方が

ただの辺境から宝の蔵に変わり、

支配の手を伸ばし、

何世紀にも渡る黄金を軸とした

蝦夷との戦いにつながります。

 

主人公は官人として都で出世することで

陸奥を守ろうとする

蝦夷丸子嶋足(まるこのしまたり)。

 

その後押しをするのが、

物部一族の天鈴(てんれい)。

 

二人は陸奥蝦夷のために知略を巡らして、

朝廷の野心を未然に防ごうと画策します。

 

また本書には伊治鮮麻呂

(これはるのあざまろ)も登場します。

 

高橋氏が

本書を書くきっかけとなった人物です。

 

陸奥を支配する

朝廷の役人のトップを殺した蝦夷であり、

朝廷に叛旗を翻した逆賊だという

イメージがあるようですが、

東北出身の高橋氏は

その見方に憤りを感じたそうです。

 

鮮麻呂に火を熾す風のようなイメージを抱き

本書を書かれました。

 

本名の「呰麻呂(あざまろ)」では

印象が悪いだろうと「鮮麻呂」に変え、

嶋足を主人公にして都を書くことで、

脇役の鮮麻呂がいる陸奥

浮かび上がらせようとされています。

 

第一弾の立志篇では、

橘奈良麻呂の乱を背景に

ストーリーが展開されていきます。

 

朝廷と蝦夷の関係、

橘奈良麻呂の乱について知りたい方に

オススメです!

 

最後までお読みいただき、

ありがとうございました!

 

高橋克彦氏の「蝦夷四部作」●

2~4は「陸奥三部作」と言われ、「風の陣」を入れて「蝦夷四部作」と言われているそうです。(↓ 時代順)

 

1.「風の陣

第一弾<立志篇>

第二弾<大望篇>

第三弾<天命篇>

第四弾<風雲篇>

第五弾<裂心篇>

 

2.「火怨」 

火怨 上

火怨 下

 

3.「炎立つ

壱 北の埋み火

弐 燃える北天

参 空への炎

四 冥き稲妻

伍 光彩楽土

 

4.「天を衝く

天を衝く(1)

天を衝く(2)

天を衝く(3)

 

●参考●

刀剣の専門サイト・バーチャル刀剣博物館「刀剣ワールド

PHP」ホームページ

www.php.co.jp

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