こんばんは!
都内在住アラフィフ主婦のnicoです。
ひとり時間を楽しんでいます。
篠崎紘一著、
小説・大伴家持』読了。
8世紀後半に完成した
現存最古の和歌集である「万葉集」。
天皇・貴族から下級役人、
防人や東国農民、
謀反人まで、
様々な階層の人々の歌が
約4500首収録されています。
大和歌集を完成させるという
大事業でした。
飾らない人間性の真実を告げる、
あらゆる階層の国民の歌を採録し、
後世に残そうとする試みで、
「万の言の葉」
(よろずのことのは)から
その大事業を父・旅人から引き継いだのが
天賦の才に恵まれた歌人、
大伴家持でした。
対立が激化する中で、
古来からの名門豪族・大伴氏の
氏上(統率者)の立場でもあることから
政争に翻弄される家持でしたが、
万葉集を国書として完成させたいという
強い執念で挑み続けます。
作品の中では超常現象も多く描かれていて、
その点については少々ついていけない
部分もありましたが、
昔の人は言霊だったり霊力なども
今よりずっと敏感に感じて、
重く捉えていたのかもしれないなと
思いました。
また、
幅広い層の人々の歌を収録するということは
容易なことではなく、
こんなにも困難をきたすのかということを
作品を通して改めて感じました。
大伴家持を主役とした小説は
今の所は本作以外見つけられていないので、
貴重な機会でした。
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