東京ひとり時間

無趣味だったアラ50主婦。「ひとり時間」を楽しんでいる内に充実した日々を送れるようになってきました。そんな日々の記録です。

●ひとり時間に読書●『道三堀のさくら』山本一力著

こんばんは!

都内在住アラフィフ主婦のnicoです。

ひとり時間を楽しんでいます。

 

何度も書いていますが、

ひとり時間で街歩きをするようになって、

東京・江戸の地理や歴史など成り立ちが

気になるようになりました。

 

道三堀

江戸で最初に造られた人口の水路で、

徳川家康が未開の地であった江戸に入って、

最初に手掛けた工事でした。

 

建築資材や食料など、

物資の運搬が必要不可欠

だったからです。

 

ただ、江戸の開拓に必須だった割に、

今ではその面影を残すものは

ほとんど残っていないように

思います。(探し方が悪い⁈)

 

今回は道三堀の詳細については省きますが、

調べていて辿り着いたのが

山本一力著、

道三堀のさくら』でした。

 

自分でもなかなか渋い作品に

行き着いたと思うのですが、

道三堀から深川へ水を届ける

「水売り」の龍太郎を軸に、

仕事への誇りや恋愛など

江戸の町民の様子が描かれた作品です。

 

江戸っ子の粋や

当時の生活などが想像できて

作品自体も面白かったのですが、

何よりも興味深かったのは

水売り」という仕事が

実際にあったことです。

 

「水売り」とは水道のない地域に

道三堀に落ちる水道の余水を集めて

船で届ける仕事です。

 

てっきり江戸の町は

神田上水玉川上水などのおかげで

水道が行き渡っていた

と思い込んでいたので新しい発見でした。

 

当時、「大川」と呼ばれていた

隅田川」より東側の埋立地へは

水道が超えられなかったそうです。

 

下の地図で見ると、

隅田川を挟んで

永代橋」より東(右)が

水道のなかった地域になります。

 

 

この作品は著者が

水道橋の東京都水道歴史館で、

模型の水道が大川(隅田川)の手前で

途切れているのに気づいたことから始まり、

「水売り」についてのわずかな資料を元に

作られています。

 

ちょっとした疑問から始まって、

少ない情報を膨らませて

ストーリーを作り上げるなんて、

やっぱり作家ってすごいなと思います。

(小学生みたいな感想…汗)

 

町民を主体とした時代小説は

読んだことがなかったのですが、

「水売り」という人の命に関わる仕事や、

当時の面影を残す史跡等が少ない「道三堀」

について描かれていて、

当時の様子に思いを馳せることができました。

 

●参考●

ミツカン水の文化センターホームページ

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