東京ひとり時間

無趣味だったアラ50主婦。「ひとり時間」を楽しんでいる内に充実した日々を送れるようになってきました。そんな日々の記録です。時々家族との時間も書いています。

【文化財】『学士会館(神保町)』年内で一時営業終了となる歴史的建造物

こんばんは!

都内在住アラフィフ主婦のnicoです。

ひとり時間を楽しんでいます。

 

さて、

先日は用事で外出することになったので、

お昼~夕方までひとり時間を過ごしました。

 

今回は再開発のため

今年いっぱいで一時営業終了となる

学士会館』を中心に

神保町周辺をお散歩しました。

 

当館は日本の大学発祥の地であり、

国の有形文化財

登録もされているので、

一目見ておきたいと思ったのです。

 

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《『学士会館(神保町)』国の登録有形文化財》©nico

 

1877年(明治10)に創設された

東京大学の総理・加藤弘之先生の退任時に

謝恩会が開かれたのが

学士会」の始まりです。

 

その後、

旧七帝大卒業生の交流を目的に

学士会会員の倶楽部施設として

発展してきましたが、

現在は一部施設を除いて

レストランや結婚式場など、

一般利用も可能になりました。

 

※旧七帝大:現在の国立七大学(北海道/東北/東京/名古屋/京都/大阪/九州大学

 

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《『学士会館(神保町)』サービスの案内》©nico

 

現在の『学士会館』は

1928年(昭和3)に開業。

 

関東大震災後の「震災復興建築」で、

当時では極めて珍しい

耐震・耐火の鉄骨鉄筋コンクリート造りです。

 

日本の耐震工学を確立した

佐野利器氏が建築推進の中心となり、

日本橋高島屋などを手掛けた

高橋貞太郎氏が設計しています。

 

↓ 下の写真は

「北玄関」を撮影していますが、

手前の四階建ての建物が旧館で、

左後方の五階建てが

1937年(昭和12)に

藤村朗氏の設計で

増築開業された新館です。

 

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《『学士会館(神保町)』外観:北玄関側》©nico

 

2・26事件の際には

第14師団東京警備隊司令部が置かれたり、

戦時中は屋上に

高射機関銃陣地が設置されたり、

戦後はGHQに接収されたりしたそうで、

昭和の激動の時代を歩んできた

歴史ある建物なんだなと、

つくづく感じました。

 

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《『学士会館(神保町)』旧館南側の外観》©nico

 

神保町駅のA9出口を出ると、

道路を挟んだ向かい側に

学士会館』があります。

 

まず目に入るのは、

野球ボールを手にした大きな手の

モニュメント。

 

日本野球発祥の地」だそうです。

 

当館について

旧帝大の関連施設としか知らなかった

私の頭の中には

野球との結びつきがわからずに

「?」がたくさん浮かびました。

 

碑文などを見ると、

明治時代に日本に初めて野球を伝えたとされる

アメリカ人教師の

ホーレス・ウィルソン氏が

授業の傍らにこの地で野球を教え、

それが全国に広まったことがわかりました。

 

2003年(平成15)、

同氏が野球伝来の功労者として

野球殿堂入り

果たしたことを記念して

モニュメントが建立されたそうです。

 

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《『学士会館(神保町)』「日本野球発祥の地」モニュメント》©nico

 

当館の西側を南下すると、

先程の「北玄関」が見えてきます。

 

フロントに近い玄関で新館です。

 

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《『学士会館(神保町)』フロントに近い北玄関》©nico

 

「北玄関」を通り過ぎて南下すると、

旧館にあたる場所に

西玄関」があります。

 

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《『学士会館(神保町)』旧館の「西玄関」》©nico

 

そして、

「西玄関」の向かって右に

東京大学発祥の地」の

記念碑が!

 

1877年(明治10)、

東京開成学校と東京医学校が合併して

東京大学が創立。

 

日本初の大学

されているそうです。

 

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《『学士会館(神保町)』旧館の右に「東京大学発祥の地」》©nico

 

東京大学発祥の地」記念碑を

南方向に通り過ぎて左折すると、

同志社大学創立者

新島襄先生 生誕の地

記念碑があります。

 

1843年(天保14)に

当館近くの上州安中藩江戸屋敷内で

お生まれになったそうです。

 

名前くらいしか知らなかった方ですが

(無知でお恥ずかしい限り…)、

幕末に国の前途を憂いて、

脱国までして英国に渡り

キリスト教文化の根本を体得して

帰国されました。

 

帰国後は同志社を建て、

キリスト教を通して

教育に生涯を捧げられたそうです。

 

毎年生誕日には

碑前祭が行われています。

 

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《『学士会館(神保町)』旧館の南側に「新島襄先生 生誕の地」記念碑》©nico


当館をくるっと周っただけで、

3つも記念碑があり、

2つの発祥の地で、

思ってたより何だかすごい場所だな…と

感じたところで

西玄関から中へ入り、

少しだけ見学させていただきました。

 

現在、

当館では完全予約制の見学会を

行っているようですが、

予約が無い場合は

1階のパブリックスペースのみ見学でき

撮影は人が写らないようにとのことでした。

変更の場合がありますので、

詳細は施設にご確認ください

 

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《『学士会館(神保町)』赤絨毯がシックな館内廊下》©nico

 

西玄関を入って正面には

立派な「御神輿」と「山車」が

飾られていました。

 

縁起がいいな…と思ったのですが、

理由がわからないので後で調べてみたら、

神田錦町三丁目町会のご厚意によるもので、

年内で営業終了となる当館を

盛り上げようとする粋な計らいだそうです。

 

江戸っ子のカッコ良さを感じます。

 

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《『学士会館(神保町)』西玄関を入って正面に飾られた「御神輿」》©nico

 

西玄関を左折して北に進むと、

左側に趣のある「談話室」があり、

休憩されている方がいらっしゃいました。

 

こういう静かで落ち着いた上質空間は、

やはり歴史の長さが産み出しているのかな…

と感じます。

 

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《『学士会館(神保町)』趣ある「談話室」》©nico

 

「談話室」の並びには

七大学展示コーナー」も。

 

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《『学士会館(神保町)』七大学展示コーナー》©nico

 

西玄関から北に進み、

北玄関に近いフロントデスクのある

ロビーまで来ました。

 

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《『学士会館(神保町)』フロントデスクのあるロビー》©nico

 

建築には詳しくないですが、

明治~昭和時代の歴史的建造物は

残っているだけでも貴重ですし、

歴史を物語る背景に触れられるので

興味があります。

 

今回、

たまたまネットニュースで

年内営業終了の記事を見て訪問できたので、

ありがたい機会を得られました。

 

次回は館内でランチをいただいたので、

ご紹介します。

(つづく)

 

最後までお読みいただき、

ありがとうございました!

 


●Information●

学士会館

●電話 03-3292-5936
●住所 東京都千代田区神田錦町3-28
●交通 都営三田線/都営新宿線/メトロ半蔵門線神保町駅」A9出口から徒歩1分
メトロ東西線竹橋駅」3a出口から徒歩5分
JR「御茶ノ水駅」御茶ノ水橋口から徒歩15分
●詳細は施設にご確認ください。

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