東京ひとり時間

無趣味だったアラ50主婦。「ひとり時間」を楽しんでいる内に充実した日々を送れるようになってきました。そんな日々の記録です。

【読書記録】『洛中洛外画狂伝 狩野永徳』谷津矢車著

こんばんは!

都内在住アラフィフ主婦のnicoです。

ひとり時間を楽しんでいます。

 

ここのところ歴史小説

ハマっていますが、

武家社会中心の話が多かったので、

たまには芸術文化の視点から

歴史に触れてみようと思いました。

 

そこで手に取ったのが、

谷津矢車著、

洛中洛外画狂伝』です。

 

安土桃山時代の代表的な絵師

狩野派4代目・狩野永徳

幼少期から青年時代を中心に

描かれた作品です。

 

狩野派室町時代

水墨画家として活躍し、

足利将軍家の御用絵師となった

狩野正信が始祖となります。

 

永徳の祖父である2代目・元信

時代の変化にいち早く対応し、

狩野派の勢力を拡大させ、

一門の礎を築きました。

 

永徳の父、3代目・松栄

2代目の築き上げた礎を守ります。

 

狩野派では

絵師の個性を表すのではなく、

代々伝えられた粉本(お手本)や筆法を

忠実に再現することが求められていきました。

 

この時代は美術品売買のマーケットが拡大し、

狩野一門では大量注文をこなしていました。

 

当主は狩野派の絵師を率いて

集団で制作しなければならず、

狩野ブランドを守る必要があったからです。

 

しかし、永徳は幼少期より

粉本を写すことが大嫌い

 

自分の絵を描きたい」と強く望み、

3代目とも激しくぶつかります。

 

代々受け継がれた伝統の枠を超えて

新たな狩野創造するか、

それとも破壊するか、

永徳は天才だからこそもがき苦しみます。

 

美術は天下人

権力を示すために利用されましたが、

ある日、永徳は足利義輝から絵の依頼を受け、

自分の道が見え始めます。

 

本書は天才絵師・狩野永徳

洛中洛外図屏風」を

完成させるまでの

苦悩と成長の物語です。

 

この時代の絵師と天下人の関係性や

美術品の役割なども知ることができ、

興味深い作品でした。

 

 

●参考●

 

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