東京ひとり時間

無趣味だったアラ50主婦。「ひとり時間」を楽しんでいる内に充実した日々を送れるようになってきました。そんな日々の記録です。

【大阪・奈良旅】『法隆寺』西院伽藍:世界最古の木造建築

こんばんは!

都内在住アラフィフ主婦のnicoです。

ひとり時間を楽しんでいます。

 

前回に引き続き、

大阪・奈良】夫婦ふたり旅

法隆寺』についてご紹介します。

hitorijikan-nico2.hatenablog.com

 

法隆寺の西院伽藍(さいいんがらん)は

聖徳太子が建立したお寺を

起源としています。

 

何よりも

現存する世界最古の木造建築

(具体的には五重塔、金堂、中門、回廊)

存在し、

飛鳥時代の建築様式

今に伝えています。

 

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国道25号から

緑の美しい松並木の参道を進むと、

↓ 法隆寺の玄関、

国宝南大門」が現れます。

 

創建当時のものは焼失し、

室町時代1438年(永享10)に

再建されたそうです。

 

また、

南大門の左右に伸びる大垣と呼ばれる

築地塀」(ついじべい)は

(桃山~江戸時代)

随所で見られますが、

これも重要文化財に指定されています。

 

粘土を棒で一層ずつ何層にも突き固める

版築」という工法で作られており、

法隆寺の歴史的景観を形作っています。

 

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《『法隆寺』国宝「南大門」》©nico

 

↓ 南大門をくぐって少し歩くと

国宝中門」(飛鳥時代)が目の前に。

 

特徴的なのは柱間(柱と柱の間)が

偶数の4間であること。

 

奇数の3間か5間が一般的で

法隆寺の4間は唯一の例だそうです。

 

この特異さによって、

昔から怨霊を封じ込めるためなどといった

様々な憶測がなされてきたそうです。

 

また、

ギリシャの建築様式で

柱の真ん中部分を膨らませる工法である

エンタシスの柱

深く覆いかぶさった軒など、

飛鳥時代の様式が見られます。

 

門の左右の仁王像

711年(和銅4)に造られており、

日本最古です。

 

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《『法隆寺』国宝「中門」》©nico

 

いよいよ西院伽藍の中心部へ。

 

中門の向かって左側が

拝観受付となります。

 

平安時代の火災後に

講堂と回廊がつながった

現在の伽藍配置になりましたが、

元々は ↓下図の

法隆寺式伽藍配置」と

呼ばれるものでした。

 

いずれにしてもポイントは

西の仏塔(五重塔)と東の金堂が

並んで配置されている点です。

 

また、

前回の記事で言及した

創建当時の若草伽藍は

↓ 下図右側の「四天王寺式伽藍配置

たったことが、

発掘調査で確認されています。

 

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《伽藍配置図》©nico

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《『法隆寺』国宝「五重塔」と国宝「金堂」が並ぶ伽藍配置》©nico

 

拝観受付を通って最初に見える

国宝五重塔」(飛鳥時代)は

現存する木造の五重塔としては

世界最古です。

 

初重から上に行くほど細くなり、

五重目の軸部は初重の半分の大きさに

なっていることで、

安定感を出しています。

 

また、

五重塔の心柱は東京スカイツリー建設の際、

免震工法のヒントとして応用されました。

 

初重の内部には中門の仁王像と共に

711年(和銅4)に制作された

仏伝世界を表す塑像群

(粘土などで作られた像)があり、

東西南北の各入口から

合わせて4つの場面が見られるので

お見逃しなく。

 

よく見ると像の表情やしぐさが

細かく表現されています。

 

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《『法隆寺』国宝「五重塔」》©nico

 

本尊を安置する国宝金堂

飛鳥時代)は

法隆寺で最初に建立されたと

考えられている

最古の木造建築物です。

 

建物の土台の二重基壇や、

雲形模様の肘木(ひじき)と巻斗(けんと)、

卍字崩しの勾欄(こうらん)と

その勾欄を支える人字形の割束など、

中門・回廊や五重塔と同様に

飛鳥時代の建築様式が見られます。

 

金堂内部には、

飛鳥時代の代表的な仏像である

釈迦三尊像を始め、

国宝や重要文化財の緒像が安置されています。

 

国宝釈迦三尊像」(飛鳥時代)は

623年(推古天皇31)に

飛鳥時代に活躍した仏師、

鞍作止利(くらつくりのとり)により

聖徳太子のために造られました。

 

国宝薬師如来」(飛鳥時代)は

太子の父・用明天皇のために、

重要文化財阿弥陀三尊像

鎌倉時代)は

母・穴穂部間人皇后(あなほべはしひと)の

ために造られました。

 

それらを守るかのように四隅に立っている

国宝四天王像」(飛鳥時代)は

現存する日本最古の四天王です。

 

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《『法隆寺』国宝「金堂」》©nico

 

学問と修行の場である

国宝大講堂」は

落雷により焼失し、

平安時代の990年(正暦元年)に

再建されました。

 

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《『法隆寺』国宝「大講堂」》©nico

 

↓ 講堂の前には立派な燈籠が建っています。

 

葵の紋が入っていたので、

後で調べてみたら、

江戸時代の大修理の際に

五代将軍・綱吉の母である

桂昌院から寄進されたそうです。

 

三葉葵(徳川家家紋)と

九目結紋(桂昌院実家本庄家家紋)が

並んで入っています。

 

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《『法隆寺』国宝「大講堂」の前に立つ桂昌院寄進の銅製燈籠》©nico


写真は撮っていないのですが、

中心伽藍にはこの他に

回廊、経蔵、鐘楼も国宝に指定されています。

 

また、

中心伽藍を出た東側にも

下記の見どころがあります。

 

国宝聖霊」(鎌倉時代)は

聖徳太子信仰の中心となる建物で、

国宝・秘仏である「聖徳太子

平安時代)を祀っています。

 

毎年3月22日~24日に行われる

聖徳太子の法要「お会式」は、

法隆寺最大の行事です。

 

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《『法隆寺聖徳太子信仰の中心である国宝「聖霊院」》©nico

 

聖霊院の前の鏡池には

正岡子規の句碑も。

 

「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺

 

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《『法隆寺正岡子規の有名な句「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」の句碑》©nico

 

聖霊院を出て網封蔵を右手に

北へ進むと、

大宝蔵院」があります。

 

日本の仏教美術を代表する仏像として

世界的に有名な

百済観音像」を始め、

夢違観音像(ゆめちがい)、

伝・橘夫人厨子など

飛鳥時代の国宝や

数々の宝物が展示されています。

 

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《『法隆寺百済観音堂を中心に配して数々の名宝を展示する「大宝蔵院」》©nico

 

まだまだ西院伽藍には

創建当時の遺構である建造物など

見どころはあるのですが、

キリがないのでこの辺にしておきます。

 

最後に西院と東院の間に建つ

国宝「東大門」(奈良時代)を出て、

西院伽藍の拝観は終了となりました。

 

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《『法隆寺奈良時代を代表する建物の一つ、国宝「東大門」》©nico

 

西院伽藍の中心に足を踏み入れてから、

どこを見ても国宝

目が離せませんでした。

 

この後は東院伽藍へ向かおうかと

思ったのですが、

もう頭と心がぱんぱんで

何も入りそうにありませんでした。

 

ちょっとお昼には早かったのですが、

休憩できる所を探しに行きましたので、

次回にご紹介します!

(つづく)

 

最後までお読みいただき、

ありがとうございました!


●Information●

法隆寺

●電話 0745-75-2555
●住所 奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1の1
●交通 JR「法隆寺駅」徒歩20分/バス「法隆寺参道」行き法隆寺参道下車
JR「王寺駅(北口)」バス「国道横田・シャープ前・法隆寺前」行き法隆寺前下車
近鉄「筒井駅」バス「JR王寺駅」行き法隆寺前下車
●拝観時間 【2/22~11/3】8:00~17:00
【11/4~2/21】8:00~16:30
●拝観料 個人一般1500円など
(西院伽藍内、大宝蔵院、東院伽藍内共通)
●拝観時間などは変更となる場合がありますので、詳細は寺社にご確認ください。

●参考●

法隆寺」ホームページ

法隆寺」冊子

奈良県立図書館」ホームページ

聖徳太子の寺を歩く―太子ゆかりの三十三カ寺めぐり」(楽学ブックス 古寺巡礼 9)

世界遺産法隆寺から学ぶ 隅々まで楽しめる寺院の歩き方」山田 雅夫著

 

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