東京ひとり時間

無趣味だったアラ50主婦。「ひとり時間」を楽しんでいる内に充実した日々を送れるようになってきました。そんな日々の記録です。

【読書記録】『遥かなる大和』八木荘司著

こんばんは!

都内在住アラフィフ主婦のnicoです。

ひとり時間を楽しんでいます。

 

八木荘司著、

遥かなる大和』読了。

 

こちらは八木氏の

東アジアの中の古代日本をテーマとした

三部作の最初の作品です。

※東アジアの中の古代日本三部作はこちら

 

608年、

小野妹子は再び遣隋使として

隋に派遣されましたが、

この時に聖徳太子の期待を背負った

高向玄理南淵請安らの

(たかむこのくろまろ、

みなみぶちのしょうあん)

留学生も同行しました。

 

一行が隋都・長安に着いて

しばらくすると、

蘇我馬子の意向で随行した

通事の鞍作福利(くらつくりのふくり)が

隋帝の国書を持って失踪。

 

玄理と請安は福利の行方を追う任務

小野妹子から命じられます。

 

この時代はが中国を統一した後、

高句麗侵略を狙い始め、

東アジアの緊張が高まっていました。

 

しかし、

隋が高句麗征討で大敗すると、

煬帝の圧政に民衆の不満が高まり、

内乱が拡大。

 

やがて滅亡し、

建国されます。

 

玄理ら留学生たちは

現地で色々と巻き込まれながら、

その歴史の過程を経験します。

 

一方、

大和朝廷では東アジアの国際情勢を背景に

大陸と対等な国交を目指すため、

高句麗百済との同盟に活路を求める

聖徳太子

新羅と組んで権力維持をねらう

蘇我馬子対立が顕在化。

 

帰国した小野妹子

太子を支えようと、

必死に蘇我氏をけん制します。

 

===↓以下ネタバレあり↓===

 

しかし、

蘇我氏の陰謀に負けてしまいます。

 

640年、

約30年の時を経て、

玄理と請安が帰国。

 

太子も小野妹子も亡くなっており、

蘇我氏も馬子が他界し、

息子の蝦夷が大臣の地位を引き継いで

孫の入鹿とともに天皇家を凌ぐ勢いで

権勢をふるっていました。

 

それでも天皇の位についた聖徳太子の下で、

大陸で学んだことを活かしたいと

強く望んでいた玄理と請安は、

太子のご遺志を継ぎ、

大陸に対抗しうる国家にするべく

改革を推進することを心に決めます。

 

そして、

蘇我氏滅亡の乙巳の変

つながっていきますが、

本書は玄理と請安が

帰国したところで終わっています。

 

この作品は史実を元に作られた

歴史物語だと思うのですが、

鞍作福利の失踪や

玄理と請安の大陸での革命運動への参加など、

どこまでが史実なのかわかりません。

 

しかし、

隋から唐へ王朝が変わる背景

聖徳太子が死に至るまでの経緯

物語として詳細に描かれており、

どんどん惹き込まれていきました。

 

特に他の作品では

聖徳太子の死について

曖昧に描かれていたり、

突然の出来事のように描かれたりしていましたが、

本作では小野妹子蘇我氏の長い攻防があり、

興味深かったです。

 

当時の国際情勢と

聖徳太子蘇我馬子の対立について

触れたい方におすすめです。

 

最後までお読みいただき、

ありがとうございました!

 

 

 

●東アジアの中の古代日本三部作●

(↓ 時代順)

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